コモンズにおける自由とコントロール

近藤隆二郎(2003): コモンズにける自由とコントロール, 第31回環境システム研究論文発表会講演集, 65-74.

ですね。サイニーでは査読論文しか掲載されていないようで、これはヒットしませんでした。メインの学会であった、環境システム委員会で、「電子社会と環境システムとの接点と可能性を探る」というセッションを企画して発表したものでした。下記が論点メモです。よく残っているなー。

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 第31回環境システム研究論文発表会・企画セッション
 「電子社会と環境システムとの接点と可能性を探る」
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□2003年10月24日(金) 14:00~15:50
□北九州学術研究都市 産学連携センター2F
(〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2-1) 
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■目的
爆発的に発展しているインターネットを中心とした電子社会は、人々の生活様式に対して様々な変化を与えている。家庭にいながら、その個々人の情報網はグローバル化している。そのような中で、この電子社会がもつ威力が、地域社会を前提とした環境システムとどのような関係性を持ちうるのか、その可能性と限界などについて、各地の実践をふまえて議論をしてみたい。
<企画責任者:近藤隆二郎(滋賀県立大学)>
■論点1:環境システムにおけるネット(情報システム)の位置づけと意味
・「環境システム」(狭義)と「社会システム」←「情報システム」
・3つのシステムの連動は?…「環境社会システム」/「環境情報システム」/“情報社会システム”は?
・既にネット上で市場形成やコミュニティ形成などがおこなわれており、ネット上における社会システムのあり方については議論は必要ではないか。
・「情報的相互作用」(澤田論文)
・「人々の心理的エネルギーの強化」(澤田論文)
・世話人の役割(樋口論文)
・ネットが導入されることにより、環境システムも社会システムも、地域という枠を超えて“拡張”してしまう。その是非については。
・誰でも直接参加/時間的制約/地理的制約(奥野論文)
・現在では、ネットはまだ「やめる」ことができる。その継続性と責任性については問題ないのだろうか。
■論点2:地域コミュニティ(地縁)とネットコミュニティの関係
・ネットで“拡張”することにより、関係する主体が地域を超えて広がる。「よそ者」をどのように考えるか。
・ネットコミュニティはどうしてもテーマ志向となってしまう。テーマコミュニティと自治会などの地縁コミュニティとの関係は?。NPOのような扱いなのか。…継続性の問題
・「政策形成」(奥野論文)
・テーマ型とCBO/地縁組織/フィードバック(木村論文)
・ネットと地域との“つなげ方”の工夫やしかけは?
・「地理的所属性」(澤田論文)
・データベース的なストックの場なのか。…地域“知”なのか、それとも“井戸端”なのか。
・「提案募集型」「交流型」「合意形成型」(奥野論文)
・「道具的機能」と「表出的機能」(田北論文)
・「意見球…WS」「Web交流会」(木村論文)
・「蓄積性、検索性、同報性、瞬時性、双方向性」(木村論文)
・「不確定データベース」「マッサージ情報」(樋口論文)
・ネットコミュニティ間の隣接とつながり。どうもネット同士がうまく連動できていないのではないか。
■論点3:プラットフォームとネットの所有について
・著作権の問題…ネット上の情報知はどこに帰属するのか?利用権はフリーなのか。
・所有権の問題…誰が開設するのか。
・「身体性」を置き忘れることはないか。…職人わざや土地勘、地域史などの文字にできない感性は?
・ヤッホー情報とnaming(澤田論文)
・インターフェイスデザイン(田北論文)
・プラットフォームの共有化
・地域性のあるネットとしてのコード(code)の重要性は。環境文化としても考えることが可能か。

ちょっと、どういう方に登壇してもらったのか、定かではないのですが、インターネットが爆発する中で、コミュニティや環境システムがどうかかわっていくかといったところでしょうか。。。

そうそう、この流れで伝統的なコモンズ論から、ネットコモンズ的な論まで追うこととなって、lessingさんのコモンズ論やオープンアクセス論も刺激を受けました。所有からシェアへという流れもどうなるのかと。思い出したのは、このサイトでもプライバシーポリシーで著作権保護をいちおうは言っていますが、ccであるクリエイティブコモンズ運動にも加担したいなーとも。まもるよりはなすという価値ですかね。でもそういえば、ccマークとか最近はどうなっているんでしょうなあ。。。

この後、society5.0とか出てきて、学会もそれに対応しているみたいですけれど、こういった論点もあったのかしらん。あるいは、環境社会学会でコモンズ研に所属していたけれど、こういったネットコモンズも論じれているのかしらん。。。


ryujirokondo's trajectory

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