というわけで、イラストを担当させていただきました。歌野杳さんの10年越しの本になります。とってもおもしろい内容ですし、貴重な生活の技術の記録になっております。ちょっとでもご協力できて嬉しいです。表紙にも裏表紙にも!。
私自身が、プロパーの研究者として給料までもらっていながら出せていなかった単著を、こうやって在野でもある方が、思いで出されるということは、なんとも頭の下がる気持ちです。杳さんの調査のときからちょっと相談を受けたこともありますが、なんていうか、院生などを指導するのとはまた違う角度でした。私たちは、“学会”や“既存研究”を重視して、そういう学問上の発見や知見を重視してしまいます。でも、杳さんは違いました。そんなところに意味を見いださず。ただ単純に徳蔵さんの暮らしのワザを残したいということで。
うーん。「本」とはなんなんでしょう。「論文」って。
昔、和歌山にいたときに、縁があって“アルバトロス・クラブ”という場にかかわらせていただいていました(今はもう無いようです)。島や修験や巡礼、熊野といったものがみなさんの関心領域にもあり、プロバーも在野(って正しい表現?)もわいわいと集まって、学会のような発表交流会をされていました。いわゆる学会論文的な型式はどうかなという面もありますが、逆にそんな型式をふきとばすような勢いと思いのある論考があふれていました。とても刺激を受けた記憶があります。
そんな野生味あふれる場はいまどこに?
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