『写し巡礼地の社会学―ミニチュア霊場の構造と変容』を出版しました

このたび、拙著『写し巡礼地の社会学―ミニチュア霊場の構造と変容』(岩田書院)を上梓する運びとなりました。 

写し巡礼地に関する単著を出版することは、20年ほど前から思い描いていたことではありますが、なかなか時間と踏ん切りがつかずにおりました。 しかしながら、このままでは裏山にひっそりとたたずむミニチュア霊場が忘れ去られてしまうのではという危機感もあり、ようやく出版に至った次第です。 

 以下、紹介文と目次です。

【岩田書院webより】 四国八十八ヶ所や西国三十三ヶ所を身近な場に代替する空間としてつくられた霊場を「写し巡礼地」と呼び、それは国内外に多数存在する。本書では、とくに石仏を並べてつくるミニチュア霊場を取りあげ、環境計画を専門とする著者が30年以上調査を続けてきた北播磨・和歌山・江戸・大和郡山、そしてハワイの事例を対象として、詳細なデータに基づき分析。宗教民俗の視点はもとより、造園学・社会学・環境学などの観点から光を当てることで、日本の巡礼史・空間史において魅力的な対象である写し巡礼地(ミニチュア霊場)の現状を考察し、その保全と再創を目指す。図表多数。 


【主要目次】 

Ⅰ ミニチュア化された写し巡礼地の時空・様相

第一章 ミニチュア巡礼地の空間体験構造 

第二章 集落の「共演空間」としてのミニチュア巡礼地 

第三章 ミニチュア巡礼地の成立プロセス

 Ⅱ 写し巡礼地の広がりと地域社会 

第四章 和歌山県下における写し巡礼地の展開と空間 

第五章 コモンズとしての写し巡礼地 

 Ⅲ 飛躍変容した写し巡礼地 

第六章 江戸における写し巡礼地の鑑賞構造 

第七章 ハワイ日系人社会における写し巡礼地の成立と変遷 

第八章 番条八十八ヶ所のイエ結合にみるコミュニティの結合効果

 Ⅳ 「写し」の構造 

第九章 「写し」の構造化

第十章 写し巡礼地における身体・空間・時間 

 Ⅴ 写された巡礼地の行方 

第十一章 写されたシナリオの正統性獲得と更新 

第十二章  写し巡礼地の保全と再創


岩田書院やAmazonなどから入手いただけます。 http://www.iwata-shoin.co.jp/ 

ryujirokondo's trajectory

このサイトは、独立研究者近藤隆二郎の研究や思考、 実践などについてご紹介するページです。

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